2018年12月20日
弘前市の郷土文学館で開かれている「名編集長・加藤謙一」展を見てきました。
加藤謙一(1896-1975)は明治29年に弘前市に生まれました。小学校の先生をしていた時、学級誌『なかよし』を編集し生徒たちに配ったところ評判となり、「子どもの雑誌は教育者の視点で作るべき」との思いを強くしたといいます。
大学出でない謙一が苦労して入社した大日本雄弁会講談社(いまの講談社)で、若くして『少年倶楽部』の編集者となり、別冊付録や「のらくろ」「冒険ダン吉」などの連載を企画しました。とにかく面白く読んでためになる雑誌作りに専念しました。別冊付録は他の子ども向けの雑誌も追随し昭和40年代前半まで続きました。特に12月発売のお正月新年号は別冊などの付録が多く付いていたのを覚えています。夢のある企画でした。
戦後は『漫画少年』を発行し、当時大阪大学生でまだ無名の手塚治虫を見出し、「ジャングル大帝」を世に出しました。さらに戦後を代表する多くの漫画家を育てました。
この企画展は1年を通じて行われているためか、私が行った日は他の入館者の姿は見えませんでした。でもおかげで、ゆっくりと見ることができました。