2020年2月10日
歯肉(歯ぐき)がふくらんで歯をおおうようになるのが歯肉増殖症です。歯ぐきの痛みはなく歯と歯の間の歯ぐきが目立つほど肥大します。歯ぐきは硬さがあり出血しやすくなります。
歯肉増殖症の主な原因は薬物です。てんかん治療に使われフェニトインの長期服用や高血圧・狭心症の薬であるニフェジピン、免疫抑制剤のシクロスポリンAの投与によっても発症することがあります。
少し前のことですが、ニフェジピンを服用されている患者さんが来院されました。歯磨きしていて口の中が出血する以外、自覚症状はありませんでした。増殖した歯ぐきが歯の半分くらいおおっていました。歯の清掃をした後、内科の主治医の先生に、ニフェジピンをできれば別の薬に変えられないか相談しました。後日、薬を変えてもらったそうです。その結果いままで続いていた朝起きた時の心臓の不整脈と足のしびれがなくなった、と患者さんに言われました。
同じニフェジピンでも歯肉肥大が強く現れる方もいればほとんど現れない方もいることでしょう。歯肉肥大が歯の四分の一くらいおおう場合は歯科医に相談してください。