2019年5月4日
GWに東京都目黒区駒場(駒場公園内)にある日本近代文学館に行きました。京王井の頭線の駒場東大駅で降りて西側の坂を上った森の中に建っています。近くに日本民藝館や旧前田侯爵邸があります。
駒場公園入口
入り口横の案内版
グレーの四角い建物の階段を上り中に入ると、正面に日本近代文学館のこれまでのなりたちが書かれたパネルがかけられ、ひんやりとした空気が漂っていました。再び階段を上って二階に行くと、「太宰治 創作の舞台裏」展が開かれていました。新に発見された創作に関わる資料に重きを置いた展示です。特に「お伽草紙」の完全原稿は注目に値する資料だそうです。太宰の人気は衰えを知らないかのようです。
日本近代文学館の全景
高見順の銅像
展示室入り口
同じ二階に「川端康成の青春」が開催されていました。伊藤初代との恋、「伊豆の踊子」の執筆など、川端康成の青春期の活動に焦点を絞って解説していました。旧軽に川端康成は別荘を持っていたが、女好きの川端さんの原稿は男の編集者ではとれぬため、各社は選り抜きの美女を担当させた、と北杜夫が『見知らぬ国へ』で記していました。
時代や社会の変化のなかで日本の文学が歩んだ資料の散逸を防ごうと、高見順や小田切進らの有志の文学者・研究者たちが立ち上がって、1963年4月に各方面の協力のもと日本近代文学館は設立されました。二階の一角には高見順の銅像が置かれています。設立準備で大忙しの高見順は、この頃がんをわずらっていましたが、生きているうちに文学館を何としてもつくりたいと、必死の執念でのぞんだ。そのようなことを安岡章太郎がある本に書いていました。
日本近代文学館は年間を通して様々な活動をしています。